#3 1973 Meteor
前作二冊でメッタ打ちされるほど心が震えた作品がついに完結と言う事でAmazonからポチってしまい、二日で貪るように読んでしまったのであった。
- 作者: 石ノ森章太郎,和智正喜
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2009/02/16
- メディア: 単行本
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簡単にフォローしておくとこの小説版の仮面ライダーは石ノ森先生の原作版の設定とTV放映版のいいとこを折衷したパラレルワールドもので仮面ライダー=本郷猛そのものであり、ほかのライダーは出てこない。
立花藤兵衛は出てくるが本郷財閥のハゲ執事では無く、小林昭二似の謎のおっさんw
一文字隼人(正確には「ハヤト」と表記されているだけでこの名前では無いが風貌はまさしくTV放映時の佐々木剛がモデルと思われる)は出てくるが本郷の前に改造されたプロトタイプと言う設定で本郷に形見のマフラーを託し、ショッカーから人々を守るようにと伝え死亡。
後にこの小説のいいとこが映画版「仮面ライダーTHE FIRST THE NEXT」にパk…(ry
さて、読破後のレビューをたしなめておく。以下多数ネタバレあり。
不満点があるとすれば、前回の二作でジャケと挿絵を担当された大畑晃一氏のイラストつきでバラで売り出して欲しかったが大人の都合だろうで、ガマンする事にした。
エンターブレインで完結編も含めて出せると言うだけでも有難い事だ。実際前回の二作は忘れていた(笑)のでこうしてまとめて一気に読めるのはありがたい。
そしてオチだが、現在でも密かに仮面ライダーはショッカーから人々を守っている、となっている(滝との二人称になっているのがライ魂一巻のあの「今日は俺とお前でダブルライダー」云々の流れを見ているようで熱くなった。そしてサイクロンは13台目だ!)ところが実に渋いのだが、アポロとのバトルにはもうちょっとページ数を裂いて欲しかった気がするなあ。
アポロ(これはやはりアポロガイストをさしているのかなあ)と言う事でショッカーの上位機関のGODがラストに出てくるが、何か無理やり取ってつけた感じが否めない。そしてGODに関するフォローも少ないのがあまりにも残念。
第三話に出てくる
あとプロトタイプの強化服として、V3、ライダーマン、X、アマゾン、ストロンガータイプの描写があるが、TV版のライダーをやはり愛しているのだと言う点では和智氏に好感が持てる。
結果的にはショッカーの攻撃により5着のプロト強化服は瓦礫の下に埋もれてしまうのだが、このタイプの違う強化服を着て活躍する本郷の話も読みたかった気がする。
でもそーなったら一号じゃないけどね(´ω`;)
とは言え、浅間山荘事件、オイルショックなどの当時の世相を踏まえた書き方が実に上手い。
読み進める手が止まらなかったのは文体の上手さと構成力ですよ。和智氏GJ(^_^)d!!
もっと違ったオチや、戦闘シーンは見たかったとは言え、¥2,100の価値はあった。
そう言う点も踏まえて総合評価☆☆☆☆★(五段階で四つ)と言うところか。
ちなみに前作二冊は絶版らしいのでまだチェックしていない方はこの600ページオーバーのこれをオヌヌメしておく。
とは言え、これで完結と言うのも勿体無い。別編で何とか新作、書いてもらえませんかねぇ…